今回はキスについて考えてみましょう。ほとんどの人は、合意のもとであればキスは好きなのではないでしょうか?私自身、もちろんキスは大好きなのですが、よくよく考えてみるとキスって不思議な行動ですよね。なぜ唇と唇を重ねるだけで、これほど幸せな気分になるのでしょうか。そして、なぜ他の動物はキスをしないのに、人間だけがキスをするのか、疑問に思ったことはありませんか?
本記事では、キスについて様々な角度から徹底的に解説していますので、読むことでキスについて理解をかなり深めることができます。
なぜ人はキスをするのか?
キスというよく考えれば不思議な行動を進化的、心理学的、文化的、健康的な面から詳しく解説していきます。
キスの進化的起源
実はキスは人類共通の行動だと思われがちですが、実はそうではないことが分かっています。
最近の研究では168の文化を調査した結果、ロマンチックまたは性的なキスが行われていたのはわずか46%の文化のみだったと報告されています。また、社会的階層が複雑な文化ほど、キスの習慣が広まっているとも言われています。
キスの記録は約4500年前の古代の楔形文字(くさびがたもじ)に遡りますが、キスは10万年前から始まった可能性があると考えられています。
科学者によると、キスは元々、生物学的なツールとして、相手の免疫システムを見極めるために使われたかもしれないとのことです。唾液にはホルモンや遺伝子情報が含まれ、キスを通じてお互いの体がどれだけ相性が良いかを探っていたのです。唇は非常に敏感な部分であるため、キスを通して相手をより深く知ることができるとされています。
さらに、研究によると、衣服を多く着用する社会では、キスの頻度が高いという結果もあります。これは、顔が唯一露出している部分であり、人々が肌同士の接触を求めるからではないかと考えられています。
また、キスは私たちの霊長類の祖先が食べ物を赤ちゃんに与える行動から発展した可能性もあります。母親が口から口へ食べ物を渡す習慣は、一部の動物でも見られます。
人間は他の動物に比べて嗅覚が弱いため、キスは相手のフェロモンを感知するための手段でもあったとされています。
キスの感情的・心理的効果
キスをすると、脳内で「愛情ホルモン」と呼ばれるオキシトシンが分泌され、相手との絆が深まると言われています。
しかし、ある研究によれば、キスが男性のオキシトシンを増加させるのに対し、女性には同じ効果が見られなかったという報告もあります。
しかし、オキシトシンは通常、ハグや性行為中にも分泌されるため、キスがこれらと組み合わされることでオキシトシンが分泌される可能性はあります。
オキシトシンの分泌が証明されていないにしても、キスは心理的・感情的に大きな意味を持つ行為です。相手に対して「好きだ」という感情や魅力を感じているということを伝える手段として、キスは重要な役割を果たしているのです。
キスの社会的・文化的な影響
すべての文化がキスを重視しているわけではなく、国や地域によってキスに対する考え方は異なります。そのため、異国間の交際をする場合も相手のキスに対する考え方や文化的にキスに馴染みがあるかどうかを探る必要があります。
また、シチュエーションによってもキスの捉え方は変わってきます。例えば日本国内においても何度もデートを重ねてからキスをする場合もあれば、ナイトクラブやバーではカジュアルに一夜限りの楽しみとしてキスが行われることもあるでしょう。
いずれの場合でも大切なのは、相手の同意を得て、相手の文化や価値観に配慮することです。
キスの健康効果とリスク
キスには健康面でもプラスの影響があります。長期的に同じ相手とキスを続けると、お互いの免疫システムが強化されるようです。
ある研究では、頻繁にキスをするカップルは、口内細菌が似てくることがわかっていて、この口内細菌には、感染症を防ぐための良い細菌も含まれています。
一方で、キスを通じて風邪やインフルエンザ、さらには「キス病」と呼ばれる伝染性単核球症が感染するリスクもあります。キス病は数カ月体を弱らせる可能性もあります。
キスの重要性
キスをしなくても幸せなカップルは存在しますが、キスは間違いなくお互いの関係においてプラスの影響を与えます。
研究によると、頻繁にキスをするカップルは、関係に対する満足度が高く、性的な満足度も向上することがわかっています。
ロマンチックな関係を長続きさせるための秘訣の一つとして、日常的にキスを取り入れることが挙げられます。家を出るときや帰宅時、寝る前など、機会があればキスをする習慣をつけることをオススメします。
まとめ
キスは進化の過程で獲得した人間特有の行動であり、約半数の文化で行われています。キスは感情や愛情、魅力を伝える手段として多くの人にとって幸せと喜びを感じさせてくれます。
キスは免疫システムを強化する一方で、健康リスクも伴います。キスをする前には必ず同意を確認し、お互いに不快じゃない環境で楽しみましょう。キスは心地よく、幸せで、楽しく、そして関係を深めるための素晴らしい手段なのです。
P.S.
せっかくのキスの時に口が臭かったら最悪です。想像してみてください、好きな相手と初めてキスをするとき、相手の口がどぶ臭かったら、と。好きな人と会うときの口臭ケアは一番大事といっても過言ではありません。マウスウォッシュを使って爽やかな口臭でキスをしましょうね。相手のためにも自分のためにも。
良い口内細菌まで殺してしまわないために、低刺激のノンアルコールタイプを使用するようにしましょう。それでは素敵なキスライフを!