部屋が汚いとメンタルにどれほど悪影響があるのか?今回はこちらの疑問について、いくつかの研究をまとめて解説していきます。整理整頓がどれほど大切なのかを理解することで、普段の掃除へのモチベーションアップにつなげていただければ良いかと思います。
汚い部屋がメンタルに与える4つの悪影響
まず結論からお伝えすると、部屋が汚いと
- 人生の満足度が低下
- メンタルヘルスの低下
- 思考力の低下
- 不健康な食生活が増える
など、様々な悪影響を及ぼすことが研究により判明しています。
聞くだけで今からでも部屋を掃除したくなるような怖い項目ばかりですね。それぞれの項目を解説していきましょう。
汚い部屋の影響1:人生の満足度が低下する
まず、ニューメキシコ大学の研究によると、散らかった部屋は人生に対する満足度を大幅に下げる可能性があることがわかっています。
この研究では、部屋の片付けができないと悩む男女約1,500人を対象に、自分の部屋の状態、部屋への愛着、そして所有物へのアイデンティティなどを評価しました。
その結果、部屋が汚く整理されていない人は、家で安心感を得にくく、人生の幸福感が低くなる傾向が見られました。
部屋が乱雑なままだと、個人的な不安や居場所のなさが強まり、最終的に人生の満足度が大きく低下してしまうのです。日常生活のストレスが積み重なると、やがて全体的な幸福度が低くなるのは避けられないみたいですね。
汚い部屋の影響2:メンタルヘルスが悪化する
サウスカロライナ大学の調査では、100年以上にわたるストレスと幸福に関する研究を見直した結果、散らかった職場や家庭環境で生活している人々は、メンタルヘルスが悪化する傾向にあると結論づけています。
特に職場環境に関する研究では、整理されていない環境は、精神的な負担を増やし、長期的には心の健康に悪影響を与えることが確認されています。逆に、従業員が自分の空間を整えることができる職場ほど、ストレスが軽減され、メンタルヘルスが向上するようです。
つまり、乱れた環境で過ごす時間が長いと、ストレスが蓄積し、精神的な健康が損なわれるということです。整った環境は心の健康を保つために重要な要素であると言えます。
汚い部屋の影響3:思考力の低下
「メンタルクラッター」という言葉をご存じでしょうか? これは、環境の乱れが原因で、脳が余計な情報にとらわれ、思考力が低下する現象をいいます。
トロント大学の研究によれば、このメンタルクラッターは記憶力の低下にも繋がりやすいとされています。
散らかった部屋では脳が無駄なエネルギーを使い、集中力や記憶力が減少する可能性が高まるのです。
短期的な記憶力だけでなく、長期的な記憶にも悪影響を及ぼす(人の名前を思い出せないとか)といい、これはなかなか怖いですよね。そうならないためにも、部屋の整理整頓は日常生活においても非常に重要です。
汚い部屋の影響4:不健康な食生活が増える
ニューサウスウェールズ大学などの研究では、雑然としたキッチンやダイニングで食事をすると、無意識に不健康な食べ物を多く食べるようになる傾向があると報告されています。
この研究では、111人の参加者が異なる環境で食事を行った結果、散らかったキッチンで食事をしたグループは、整理整頓されたキッチンで食事をしたグループに比べて2倍のクッキーを食べるという結果が出ました。
乱れた環境がストレスを引き起こし、それが過食や不健康な食事に繋がるのです。
汚い部屋は衛生的にもよくない
部屋が汚れていると、ハウスダストやゴキブリやハエなどの害虫もわくため、衛生的にもよろしくありません。
物が多く掃除機をかける頻度が少ないと、食べかすや自分の皮膚やフケなどが蓄積し、ダニや害虫の餌となって害虫の大量発生をまねき、それにともなうアレルギーや喘息を引き起こしてしまう可能性もあります。
アレルギーの症状や害虫を目にすることでさらにメンタルへの悪影響も考えられます。
衛生面も考えるとやはり自分の部屋は綺麗にしておきたいところです。
まとめ
まとめると、散らかった部屋にいると、
- 人生の満足度が低下
- メンタルヘルスが悪化
- 思考力の低下
- 不健康な食生活が増える
を引き起こす可能性があることが分かりました。さらに衛生的にもよくなく、健康を害する可能性があることも覚えておきましょう。
これらの事態を避けるためにも、部屋は常に整理整頓しておくことが大切かと思います。せめて職場のデスク周りだけでも片付けておかないと、物覚えの悪い無能社員になってしまう恐れもあるので、私も気を付けたいと思います。
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