1日に必要な理想的の歩数について、最新のメタ分析が発表され非常に信頼性の高い結論が示されました。「結局1日に何歩歩けば健康になるの?」「歩けば歩くほど健康になるのか?」こういった疑問にお答えします。
歩数と健康の関係:研究エビデンス
歩くことが健康にいいことは昔から言われてきていますが、実際に1日何歩歩けば健康になるのか具体的な数字を今回の研究で明らかにしてくれています。
この分析では、過去の観察研究のエビデンスの中から10件を選び出し、総計3万172人を対象に約9年間にわたって歩数と死亡率の関係が調査されました。
この分析方法はメタ分析といって、分析方法の中では最も信頼性の高い分析方法となります。結果として、現時点で最も参考になるデータが得られています。
結論:理想的な歩数は7500歩
年齢、性別、健康状態、経済状況などを考慮して調整した結果、「理想的」とされるのは1日7500歩でした。
何もしないよりも多少の歩数を歩く方が健康に良いのは確かですが、特に7500歩という数値が注目されています。この歩数は、1時間未満のウォーキングやいくつかの短い散歩で簡単に達成できるため、仕事や家事で忙しい人にも嬉しい現実的な目標ではないでしょうか。
具体的な健康リスク低減
具体的な統計を見ると、
- 1日7500歩を歩くと、今後2年間にあらゆる原因で死亡するリスクが約40%低減される
- 1万1,000歩歩けば、そのリスクはさらに半分に減少
といった傾向がみられたようです。やはり数値から見ても健康の維持には歩くことは超重要です。
しかし、ここで疑問が湧くかもしれません。「なぜ1万1,000歩がさらに効果的なのに、7500歩が理想とされているのか?」という点です。
歩数のターニングポイント:7500歩
研究チームは、この問いに対して次のように説明しています。
1日の歩数が7500歩に達するまでは、リスクの低減が急激に進むのですが、それ以上の歩数では、リスク低減のペースが緩やかになります。具体的には、7500歩までは1,000歩ごとに平均8.5%のリスク低減が見られる一方で、7500歩以降は1,000歩ごとに2%の低減にとどまります。7500歩は健康効果における「ターニングポイント」なのです。
確かにこのコメントには納得できますし、なによりここまでの精度で結果をだせるのが凄いです。
まとめ:1万歩という俗説を覆す結果
今回の研究では、従来の「1日1万歩が必要」という通説を覆す結果も示されました。もちろん1万歩を歩くことは素晴らしいことですが、必ずしもそれだけの歩数が必要というわけではないのです。実際に、7500歩でも十分な健康効果が得られるため、無理に1万歩を目指さなくても良いのです。
研究チームも、
「ソファから立ち上がって少しでも動けば、それだけで健康に良い影響を与える」
とコメントしています。
1万歩という目標がウォーキングのハードルになってしまわないように、自分のペースで無理なく取り組むことが大切です。理想の歩数として7500歩を意識しながら、無理なく歩いて健康を手に入れましょう。
歩数を増やすついでに「頭をよくしてストレスも減らす」ベアフットランニングという方法もありますので、こちらも試してみるとさらによい結果が得られるはずです。