この記事では「カップルが分かれる3大要因」という興味深いテーマについて、1403人を対象とした研究を元にお伝えします。カップルが分かれる原因を知りたい、今付き合っている人と別れないためにどうしたらいいか、過去に別れた原因を理解して失敗を繰り返したくない、こういった悩みや疑問の解決につながるはずです。
カップルが別れる原因を調べた研究
まず、この研究がどのように行われたか、研究デザインを簡単に説明します。
対象者は、ギリシャ語を話す604人と中国語を話す799人の合計1403人で、すべて現在交際中の人々が対象となっています。ギリシャ人の32%、中国人の34%は既婚者であり、幅広い層のデータが収集されました。
欧米圏とアジア圏の2グループを対象にしていて対象人数も多く、なかなか信頼できそうで気合の入った研究ですね。
研究者は、参加者に「恋愛関係においてよく見られる問題」をリストアップした78のパターンを提示し、その中で「現在の関係を維持する上で最も困難だと思う問題はどれか」を尋ねました。
その後、主成分分析という統計手法を用いて、これらの問題を13の主要なカテゴリに分類しました。
このカテゴリには、
「情熱の低下」「不倫」「性生活の不満」「一夫一婦制でない」「暴力」「自分の時間と空間の不足」「長時間労働」「粘着性」「性格の問題」「子供に関する問題」「社会的なネットワークの問題」「妥協の欠如」「努力の欠如」の13ジャンルに分類
最後に、これらの問題がどれほど関係性に悪影響を与えているかについてのデータを収集し、最もカップルの関係を壊しやすい要因を特定しました。
カップルが別れる3大要因(原因)
調査結果によると、特にカップルの関係に悪影響を与える3つの大きな要因が明らかになりました。
- 粘着性(過度の束縛)
約30%の参加者が、自分自身の「粘着性」を関係の崩壊の主要な原因として挙げました。いわゆる「束縛が激しい」状態です。相手に対して過度に依存しすぎたり、監視しすぎたりすることが、カップルの関係を悪化させ、破壊に導く大きな要因となっていることが分かりました。 - プライベートな時間と空間の不足
23%の参加者は、個人的な時間や空間が不足していることを問題視しました。これは、カップルが互いに自由な時間や個人のスペースを確保できない状況が、関係にストレスを与え、次第に関係を悪化させる原因となることを示しています。 - 長時間労働
22%の参加者が、長時間の仕事が関係に悪影響を及ぼしていると答えました。特に現代社会において、長時間労働はパートナーとの時間を削るだけでなく、ストレスや疲労によって感情的なつながりを弱める結果となっていることがわかります。
別れる原因においての「進化論的な解釈」
この研究の興味深い点は、進化論的な視点からもカップルの関係崩壊の原因が考察されている点です。
進化論的な観点では、カップルが長期間付き合うことは、子育てにおけるリソースを共有し、遺伝子を後世に残す確率を高めるために有利であるとされています。これを支える感情として、「嫉妬」や「執着」といったものが挙げられます。
嫉妬や執着は、進化的にはパートナーを監視し、浮気のリスクを減らすために機能していると考えられます。パートナーが浮気をしないように見張り、長期的な関係を保つためにこのような感情が進化してきたわけです。
しかし、現代社会ではこの監視メカニズムが過剰に働きすぎると、逆にカップルの関係を壊す結果を招くことがあります。たとえば、パートナーの外出や仕事上の人間関係に過剰な不安を抱き、相手を疑うことで、信頼関係が崩れてしまうというケースです。
また、過剰な嫉妬や執着は、プライベートな時間と空間の減少をもたらすこともあります。相手を常に監視し続けることで、カップルそれぞれが個人として必要とするスペースを失い、最終的には関係のバランスが崩れてしまうのです。
性別や文化による違い
この調査では、性別や文化による違いもいくつか明らかになりました。
たとえば、
男性は
「情熱の低下」を関係の悪化の原因として挙げる傾向がありました。つまり、男性はパートナーからの関心や愛情が薄れることを深刻な問題と捉えることが多いという結果です。
ちなみに私は男ですが、これはかなり共感してしまいました。
一方、女性は
「粘着性」に関連する問題を指摘することが多く、自分がパートナーに依存しすぎていると感じる傾向がありました。これは、女性が感情的にパートナーに寄り添いすぎてしまうことで、関係に歪みが生じる可能性があることを示しています。
文化的な違いも顕著でした。
ギリシャ人は
「性格的な問題」を、たとえば「自分がわがまま」といった自己認識に基づいた理由を挙げる傾向がありました。
一方、中国人は
「関係を維持するための努力の不足」を問題視する傾向が強く、パートナーシップに対して十分な努力をしていないことが関係悪化の原因であると考えることが多かったです。
まとめ
この研究から、カップルの関係を壊す大きな要因として、
- 粘着性(過度の束縛)
- プライベートな時間の不足
- 長時間労働
が浮き彫りになりました。
これらは現代のカップルにとって大きな課題であり、特に嫉妬や執着が進化の過程で重要な役割を果たしてきたものの、現代の関係においては逆効果をもたらすことがあることも覚えておきましょう。
別れないためにも「束縛しすぎない」「干渉しすぎない」「なるべく早く仕事を終わらせる・転職する」といったことを意識するとカップルの関係にひびが入る可能性を減らせるのではないでしょうか。
嫉妬心は「自分への自身のなさ」からくることが多いといいます。男性であれば筋トレをして自分に自信をつけ、女性であれば美容を極めて自分に自信をつけることで、過剰な嫉妬心を抱くことを防ぐことができます。美容に関してはこちらの記事がオススメなので、実行してみるといいでしょう。
性別や文化によっても問題の感じ方が異なることから、カップルそれぞれが直面する課題に対して適切な対処を行って、相手を理解しながら個人のスペースを尊重することが、健全な関係を維持する鍵となるでしょう。