ベアフット・ランニングとは裸足で芝生や土のうえなどを走る、エクササイズです。
裸足で走ったり歩いたりすると、なんともいえない心地よさと、すがすがしさがありますよね。
裸足でランニングすることによって、どんな効果があるのかを紹介していきます。この効果を意識しながら、ベアフット・ランニングを楽しんでみてください。
ベアフット・ランニングの効果
タイトルにもあるとおり、ベアフット・ランニングをすることによって「頭がよくなる」「ストレス解消」といった、嬉しい効果があることがわかっています。
ベアフット・ランニングはここ10年くらいで、かなり人気が高まっていて、それにともなって最近では、メンタルへの影響を調べたデータも増えてきています。
たとえば、ノースウエスタン大学による実験の結果を紹介すると、
学生を2つのグループに分けて、15分だけキャンパス内を自由に走るように指示をだした。
グループ1 裸足で走る
グループ2 ランニングシューズで走る
その後、全員に心理チェックと認知テストを行った。
結果
裸足で走ったグループ1のみ、ワーキングメモリ(作業記憶)が16%も向上。それと同時に、ストレスレベルも大幅に減少。といった結果がでています。
ワーキングメモリとは
短い時間に頭のなかで情報を記憶し、情報を処理するのに必要な能力です。日常生活や学習、集中力におおきな影響をあたえる能力で、ワーキングメモリが高い人は、頭の回転が早いのです。
この実験のほかにも、同じような実験がいくつか行われていますが、同じように「ワーキングメモリ向上」「ストレスの減少」といった、効果が確認されています。
実際に裸足で走ってみるとわかると思いますが、走ったあとは非常に頭の中がスッキリとしていて、すがすがしい気持ちになります。ベアフット・ランニングが、ここまで人気な理由がよくわかると思います。
なぜ、このようなことが起きるのでしょうか。理由がハッキリと解明されているわけではないそうですが、考えられる理由はあります。
ベアフット・ランニングによるワーキングメモリ向上の理由
ワーキングメモリを鍛えるエクササイズはいくつかありますが、その特徴として
- 状況の変化が予測しにくい
- 自分の動きを意識的に変えなければいけない
というものがあります。
ベアフット・ランニングは、この特徴に当てはまっているのです。裸足で走ると、地面の状況に気を配る必要があり、状況の変化が予測しづらいので、自分の動きをそれに合わせて変えなければなりません。
裸足で、かかとから思いっきり地面につくと痛いですし、地面の形や感触にも気を配りながら走るはずです。無意識に頭が働いている状態で、さらに自分の動きを強く意識するために、ワーキングメモリが向上するのです。
さらに、シューズのときよりも若干つま先メインで走るようになり、ふくらはぎの筋肉をよくつかいます。ふくらはぎは第二の心臓とも呼ばれているので、血流が良くなり、頭によく血液が巡るのも理由のひとつでしょう。
ベアフット・ランニングによるストレス軽減の理由
ストレスが減る理由としては、ワーキングメモリが向上することによって、短時間で大量の情報を処理できるようになり、結果として心に余裕が生まれるからではないかと考えられています。
また、走っている間は自分の体の感覚や、地面に意識が向くので、余計なことはいっさい頭に浮かばなくなります。これも理由のひとつでしょう。原理は少し瞑想にも似ています。
ベアフット・ランニングをする際の注意点
メリットが大きいベアフット・ランニングですが、走るときは怪我にはじゅうぶん注意しましょう。
ガラス片や尖った石、とげや犬のふんが落ちているようなところは避けるようにしてください。怪我をしたり、ふんを踏んでテンションが下がってしまっては意味がないので、十分に注意しましょう。
また、かかとから思いきり着地すると怪我の元になるので、そこも注意が必要です。
裸足に抵抗があるならシューズを使う
もちろん裸足で走るほうが効果はありますが、裸足に近い状態で走れるシューズもあります。ベアフット・ランニングブームもあって、いろいろなメーカーからベアフットシューズが発売されています。
裸足で走るのに抵抗があったり、怪我の防止のためにベアフットシューズをはいて走るのも良いでしょう。(私はシューズを履いて実践しています)
オススメなのが、イタリアのメーカー、ビブラムが出している「ファイブフィンガーズEVO」というシューズです。
他のメーカーが出しているものもたくさんありますが、私はこれしか履いたことがありません。他を試してみようとは思わないほど、しっくりきます。
これだと少々荒い地面でも走ることができますし、靴底も薄いので裸足にかなり近い感覚を得ることができます。五本指仕様なのもあって、なんとも言えない気持ち良さがあります。
ただし注意点があって、かかとからの着地に耐えられる構造ではありません。普通のシューズをはいている感覚でかかとから着地すると、モロに足に負担がかかってしまうので、裸足で走っている時と同じように、つま先で着地&蹴り出しを行うようにしてください。
まとめ
今回はベアフット・ランニングのメンタルについての効果を紹介しましたが、体の面でも慢性障害に効くという研究があったり、普段使わない筋肉を鍛えられたりと、さまざまな良い効果が得られます。
怪我には十分に注意しなければなりませんが、得られるメリットは大きいのではないでしょうか。
また、木登りやボルダリングでも同じような効果が期待できるので、興味がある方はこちらも見てみてください。
楽しみながら頭もよくし、心も体も健やかにしていきましょう。