不安になりやすい、ストレスを抱えやすい人は多くいます。
例えば、ささいなことでも「明日仕事行きたくない」「なんであんな失敗してしまったんだろう。みんな怒ってるかな」と、ネガティブな思考がずっとループしてしまうこともあるでしょう。
永遠にこのネガティブループから抜け出せないのではないだろうか、と考えているかもしれませんが、これから紹介する「脱フュージョン・エクササイズ」で、ネガティブな思考のループを断ち切れるようになります。
科学の世界でも効果が実証されている、脱フュージョン・エクササイズのやり方を6つ解説していきます。
これを覚えることによって、普段のネガティブ思考やストレスも大幅に減らすことができるでしょう。
脱フュージョンとは?
「脱フュージョン」とは、近年の心理療法で広く使われるようになったテクニックです。
アクセプタンス&コミットメント・セラピー(CAT)の一種です。
頭の中にあるネガティブな思考と自分を切り離すことによって、否定的な感情のループに巻き込まれないようにするために使われる方法です。
例えば「なんであんな失敗をしてしまったのだろう。自分はダメな人間だ」と考えてしまったら「失敗しないために行動するのをやめよう」と考え「明日、仕事休もうかな」と、どんどんネガティブな行動に走ってしまうことがあります。
このような負の連鎖を食い止めるために、自分のネガティブな感情と距離をとって、自分を客観的に見つめ直すのが「脱フュージョン」です。
脱フュージョンのやり方6選
言葉でいってもわかりづらいので、実際にやり方をみていきましょう。
さまざまな方法があるのですが、ストレスの軽減におすすめな方法を選んで6つほど紹介しますので、試してみて自分に合った方法を採用してみてください。
1.「〜と思った」法
これが一番やりやすく、効果も高いのでオススメです。
具体的なやり方
- 「自分はダメ人間だ」や「嫌われたかもしれない」と思ったら、そのフレーズを小さな声で口に出す。このとき、自分の身体にどんな感覚が生まれているか注目する。例えば「喉の奥が詰まる感じがする」や「胃のあたりがそわそわする」といった感じ。
- 次に、浮かんできたネガティブなフレーズの後に「と思った」と付け加えて、心の中で繰り返す。「俺はダメ人間だ・・・と思った」これを5〜6回ほど心の中で繰り返す。
- 最後に、さらに「と思ったことに気がついている」を付け加える。「俺はダメ人間だ・・・と思ったことに気がついている」これも心の中で、5〜6回ほど心の中で繰り返す。
嫌な感情が心の中に生まれたら、すかさずこの方法を試してみてください。
ネガティブな感情と自分のあいだに距離が生まれて、一気にネガティブが消え失せていくのがわかるはずです。
2.替え歌法
浮かんできたネガティブなフレーズを、替え歌にして歌う方法です。
- 「俺は無能人間」というフレーズが浮かんできたら、それをハッピーバースデーのメロディーに乗せて歌ってみる。「俺は〜無能〜にんげ〜ん♪」といった感じ。
- さらに、自分のお気に入りの歌などに乗せて歌ってみる。
これは心の中で歌ってもよいのですが、できれば声に出して歌った方がより効果があります。
歌は自分のお気に入りの曲でも、暗めの曲でも馬鹿げた曲でも、なんでもOKです。
ポイント
「ネガティブな思考も、単なる言葉に過ぎないとい」ということを感じるようにすることがポイントです。歌って気分を上げるのが目的ではありません。
3.アニメ声法
替え歌法と同じように、ネガティブなフレーズをアニメ声のモノマネで言う方法です。
クレヨンしんちゃんやドラえもん、孫悟空などの少しクセのあるアニメ声に似せて、フレーズを何回か言ってみます。
これも言っているうちに「あ、今悩んでいる思考なんて、ただの言葉に過ぎないんだな」と感じるようになってきます。
すると自分と負の感情のあいだに、大きな距離が生まれます。
4.ラベル付け法
感情や思考にラベルを貼り付ける方法です。
- 浮かんできた感情や思考を、客観的な視点で注意深く観察する。
- その感情や思考にラベルをつける。例えば「不安がある」や「悲しみがある」など。
- 上二つを繰り返す。
ポイント
つけるラベルの名前は客観的なものにするということがポイントです。
「不安で苦しい」ではなく「不安がそこにある」といった感じです。
慣れるまでは少し難しいかもしれませんが、できるようになれば不安や悲しい感情と、すぐに距離を取ることができるようになります。
5.おつかれさん法
押し寄せるネガティブな感情に、「おつかれさん!」と声をかけてあげる方法です。
ふざけているわけではなく、これが脱フュージョンなのです。
例えば
「最悪だ、また失敗した・・・という思考、おつかれさん!」や「お、またきたか。嫌われたかも・・・という思考!おつかれさん!」といった感じです。
やってきたネガティブなフレーズたちに、友達をねぎらうかのように、声をかけてあげるのがコツです。
6.葉っぱに乗せて流す法
ネガティブなフレーズを葉っぱに乗せて、川に流す方法です。
- 目を閉じて静かに座る。このとき頭の中で、静かに流れる小川を想像する。
- 「しんどい」や「俺はポンコツ」など、浮かんできたフレーズを葉っぱに乗せて、その小川に流すのを想像する。そのフレーズと葉っぱがゆっくりと流れていくのを眺める。
- 上二つを繰り返す。
これも比較的簡単に行うことができます。嫌な感情がなくなるまで、何回でも流しましょう。
以上が脱フュージョンのやり方です。
いかがでしょうか。
今までは小さなことでもクヨクヨ悩んでしまって、友達からは「そんな悩んでどうするんだよ。気楽にいこうぜ」と言われても、「やっぱり落ち込むし悩むし昔からそうゆう性格だからな~」と諦めていたあなたも、これでクヨクヨ悩まずストレスも減ることでしょう。
私たちの心も、身体と同じようにストレッチをしなければ、だんだんと硬くなっていきます。
心が固まってしまうと、ちょっとしたことでもメンタルにダメージを受け、負のループから抜け出せなくなってしまいます。
そうならないためにも、普段から「脱フュージョン」をする癖をつけて、心を柔らかくたもつようにしましょう。
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